H&MやGU、スターバックス、日清カップヌードル×ラフォーレ原宿の広告、ウンナナクール等の企業ブランディング、桑田佳祐や吉澤嘉代子らのCDジャケット、さらにはドラマやCM制作を手掛けるなど、様々なフィールドで活躍するアートディレクター・千原徹也。私たちの日常に彩りと驚きを与えてきた彼が、デザインを志した原点であり、長年の夢だった映画製作に進出した。
監督・エグゼクティブプロデューサーを務める千原が原案に選んだのは、芥川賞作家・川上未映子の短編集「愛の夢とか」(講談社文庫)内収録の『アイスクリーム熱』。言葉と戯れるように繊細でリリカルな川上の世界観を受け継ぎながら、千原ならではの色彩感覚とビジョンを加えていった。
熱(フィーバー)に似た、心を捉えて離さない想い。いまを生きる4人の女性の憧れ、興味、好意、執着が交錯する――。この斬新な企画『アイスクリームフィーバー』に共鳴し、参加したのはいずれも各界の第一線を走り続ける面々。
主演を務めるのは、第46回日本アカデミー賞で10部門の優秀賞に輝いた『ハケンアニメ!』や、Disney+オリジナルシリーズ「ガンニバル」等、日本映画界に欠かせない俳優として近年より一層存在感を増しつつある吉岡里帆。千原との長年のコラボレーションでも知られる彼女は、クリエイターの夢をあきらめかけているアイスクリーム屋のアルバイト・常田菜摘を瑞々しく演じた。何かが物足りない、でも自分の心が何を求めているのかわからない菜摘の等身大の苦悩は、吉岡の繊細な表現でさらに多くの共感を呼ぶところだろう。
なお『アイスクリームフィーバー』の物語は、菜摘が勤めるアイスクリーム屋を中心に展開していく。その常連客で、ミステリアスな作家・橋本佐保に扮したのはモトーラ世理奈。ファッションモデルとして活躍する一方、『風の電話』や『異動辞令は音楽隊!』など、国内外で高い評価を受ける作品で輝きを放ってきた彼女が、千原が2020年に企画・監督した主演ドラマ「東京デザインが生まれる日」に続き、本作でもタッグを組む。
菜摘のアルバイトの後輩、桑島貴子役には、独自の世界観で人気を博す音楽ユニット「水曜日のカンパネラ」のボーカル・詩羽が抜てきされた。本作が映画デビューとなる彼女の初々しくも堂々たる空気感は、唯一無二。劇中では街をひらひらと舞うようなダンスを披露し、劇中の重要シーンで流れる劇中曲も歌い上げている。
そして、アイスクリーム屋の近所にある銭湯が唯一の癒しである高嶋優役を託されたのは、松本まりか。『ぜんぶ、ボクのせい』や『夜、鳥たちが啼く』ほか近作でも憑依的な演技で観る者を飲み込んできた彼女が、仕事一筋に見えて心に消えない傷を抱える複雑な人物を見事に体現。人間ドラマとしての見ごたえをしっかりと担った。
この4人に加え、本作が映画初出演となる南琴奈をはじめ、後藤淳平(ジャルジャル)、はっとり(マカロニえんぴつ)、MEGUMI、コムアイ、片桐はいり、安達祐実といった個性豊かなメンバーが華を添える。
さらに、主題歌「氷菓子」を吉澤嘉代子が書き下ろし、エンディングテーマには小沢健二の名曲「春にして君を想う」を起用。「氷菓子」は、新たな物語の始まりを告げるような高揚感あふれるメロディが印象的。吉澤が紡ぐ「火傷」「アイス」「東京」「口づけ」といった劇中のキーワードがちりばめられた詞世界が、感動を増幅させる。
そして小沢健二が1998年に発表した「春にして君を想う」は「子供のように甘えたいのだ 静かなタンゴのように」というフレーズのリフレインが響く、優しいバラード。緩やかな幸せを歌う本楽曲が、エンドロールという物語と現実の狭間を染め上げる。また、物語の飛躍を予感させるオープニングテーマなど劇中の音楽は東京2020オリンピック開閉会式の音楽監督も務めた田中知之(FPM)が担当。映画、音楽、ファッションなど日本のカルチャーを形成する面々のアンサンブルが実現した。
なお、本作の撮影を担当したのは千原とファッションデザインで組んできたフォトグラファー・今城純。衣装を担当したのは、椎名林檎やきゃりーぱみゅぱみゅとのコラボレーションでも知られる飯嶋久美子。スタイリッシュだがどこか懐かしく、エモーショナルな映像美を構築したスタッフワークにも注目いただきたい。
加えて『アイスクリームフィーバー』の大きな特徴は、映画から他分野への拡張。ウンナナクール、猿田彦珈琲、アダストリア、PARCO、ボディファンタジー、グランマーブルといったブランドとの連動企画が同時展開し、既存の映画の枠を超えた「映画×ファッション×広告×デザイン」が融合したボーダレスなクリエイティブが街を包んでいく。
「100万年君を愛ス」のキャッチコピーが象徴する、甘く、柔く、儚い“想い”――。カラフルな見た目、清らかな口当たり、切なくも爽やかな余韻を残す至極のアイスクリームのようなラブストーリーが誕生した。
彼女達は繊細で複雑な現実を抱えている。
相反するような美しさと痛みがアイスクリームの記憶を伴い、
見事に融合していた。
全ての人達の熱が合わさればこんなにも凄いものが
出来るんだということを見せつけられました。
脚本の妙ももちろんですが、まず目でめちゃくちゃ楽しめるのが素晴らしかったです。
千原さんから「今度映画撮るんです」と聞いた時に「僕も出してくださいよ」って
軽はずみに言わなくて本当に良かったなと思うぐらいアーティスティックな世界観。
千原さんの才能が世界にもバレてほしいと思った、そんな作品でした。
泡沫の夢のような世界は映画というより長編のPVのようにも見える。
伸びる光、屈折を重ねて
ゆらゆらと舟を漕いでいた。
クーラーが汗を乾かす白の香り
雨の音が涼しく満たす秘密の部屋
締め切ったカーテンの模様がドロドロに溶けて無くなってしまう前に
もう一度、
会いに行こう。
一方的に期待して勝手にがっかりしたり、憧れとの距離を測りかねたり。
アイスクリームを食べたらそんな自分をちょっとだけ許せるのかもしれないね。
惚れて夢中になる事はなんて尊いのでしょう。
溶けては溶け、ドロドロの沼から抜けれない。
この甘い液体で背泳ぎしてたい。
Ahhhh「アイスクリームフィーバー」
ごっつぁんです。
私たちはこの世界を生きているのだろう。
どの瞬間を切り取っても一枚の絵画のようで、目が離せませんでした。
千原監督様にゆっくり話していただいている様な優雅で穏やかでございました。
色合い、セリフの数々、時間の流れ、音楽、全てにおいてなんとも美しゅうございます。
わたくしの様な蟲のちょい上ほどの生き物とすれば眩しく美しくて。
鬼素晴らしきの一言でございます。
クリエイティブな千原さんの頭の中を少し覗き見できたような気持ちです。
キュートでカラフルな世界観で、でも決してファンタジーではなく、登場人物達が抱えている想いや葛藤は痛いほどリアルで、そのギャップが本当に素敵でした。
彼女達が、それぞれある人を見つめている「目」にドキッとします。
聞こえてくる心の息遣いが美しくも苦しい。
誰かのことを頭いっぱいに考える彼女らの表情が堪らない。
この映画は、今、生きているこの瞬間に見なきゃいけない。
そして切り取られた東京の風景、普段ふつうに感じる
映画内に出てくるロケ地辺りの空気感がそのままちゃんと表現されていて、
映像もスチール写真的なボケ足感もたくさん生かされていて美しかった。
主人公のキャラ設定にはおそらく千原さん御自身も投影されていて、こういう映画、こういう世界観を表現したい!
って想いがひしひしと伝わるとても素敵な映画でした。
作りたくて作りたくてその気持ちが破裂して生まれた映画は、なんというか、
ジューシーというか、甘酸っぱい感じというか、暗さとか、怖さとか、いろいろ細かな感情の側面を感じることを楽しめるので、若い年齢の方ほど観て感じて楽しめる部分がたくさんあると思います。
僕は若くはないけどニヤニヤと楽しめました。
彼女達は繊細で複雑な現実を抱えている。
相反するような美しさと痛みがアイスクリームの記憶を伴い、
見事に融合していた。
私たちはこの世界を生きているのだろう。
どの瞬間を切り取っても一枚の絵画のようで、目が離せませんでした。
全ての人達の熱が合わさればこんなにも凄いものが
出来るんだということを見せつけられました。
脚本の妙ももちろんですが、まず目でめちゃくちゃ楽しめるのが素晴らしかったです。
千原さんから「今度映画撮るんです」と聞いた時に「僕も出してくださいよ」って
軽はずみに言わなくて本当に良かったなと思うぐらいアーティスティックな世界観。
千原さんの才能が世界にもバレてほしいと思った、そんな作品でした。
千原監督様にゆっくり話していただいている様な優雅で穏やかでございました。
色合い、セリフの数々、時間の流れ、音楽、全てにおいてなんとも美しゅうございます。
わたくしの様な蟲のちょい上ほどの生き物とすれば眩しく美しくて。
鬼素晴らしきの一言でございます。
泡沫の夢のような世界は映画というより長編のPVのようにも見える。
クリエイティブな千原さんの頭の中を少し覗き見できたような気持ちです。
キュートでカラフルな世界観で、でも決してファンタジーではなく、登場人物達が抱えている想いや葛藤は痛いほどリアルで、そのギャップが本当に素敵でした。
彼女達が、それぞれある人を見つめている「目」にドキッとします。
伸びる光、屈折を重ねて
ゆらゆらと舟を漕いでいた。
クーラーが汗を乾かす白の香り
雨の音が涼しく満たす秘密の部屋
締め切ったカーテンの模様がドロドロに溶けて無くなってしまう前に
もう一度、
会いに行こう。
一方的に期待して勝手にがっかりしたり、憧れとの距離を測りかねたり。
アイスクリームを食べたらそんな自分をちょっとだけ許せるのかもしれないね。
聞こえてくる心の息遣いが美しくも苦しい。
誰かのことを頭いっぱいに考える彼女らの表情が堪らない。
この映画は、今、生きているこの瞬間に見なきゃいけない。
惚れて夢中になる事はなんて尊いのでしょう。
溶けては溶け、ドロドロの沼から抜けれない。
この甘い液体で背泳ぎしてたい。
Ahhhh「アイスクリームフィーバー」
ごっつぁんです。
そして切り取られた東京の風景、普段ふつうに感じる
映画内に出てくるロケ地辺りの空気感がそのままちゃんと表現されていて、
映像もスチール写真的なボケ足感もたくさん生かされていて美しかった。
主人公のキャラ設定にはおそらく千原さん御自身も投影されていて、こういう映画、こういう世界観を表現したい!
って想いがひしひしと伝わるとても素敵な映画でした。
作りたくて作りたくてその気持ちが破裂して生まれた映画は、なんというか、
ジューシーというか、甘酸っぱい感じというか、暗さとか、怖さとか、いろいろ細かな感情の側面を感じることを楽しめるので、若い年齢の方ほど観て感じて楽しめる部分がたくさんあると思います。
僕は若くはないけどニヤニヤと楽しめました。